2005-11-03 Thu 00:46
![]() いろいろと賛否両論されているホワイトバンドについて、瑣末なことしか浮かばないのだが。 「ほっとけない」「3秒に1人、子供が貧困で死んでいます」といったキャッチコピーの緊急性を強調する割には、ホワイトバンドの売上げは貧困に対する直接援助に向けられるわけではなく、貧困問題に取り組むNGOの活動資金に当てられるんですよね。有名人が指をクリックしたりして死が訪れる「3秒」という時間を具現化してみせるという噂のCMは見たことはありませんが、「今、こうしている間にもどこかで誰かが死んでるんだ、ほっとけない!!!」と焦燥感を演出するのに反比例して、運動方針があまりにも悠長だという気がします。どれだけの収益を上げてるのか分かりませんが、先進国が出し惜しみしているエイズの治療薬を買い上げて送ってあげた方が、よっぽどCMの強調する緊急性に見合った命の援助方法だという気はします。 あのホワイトバンドをつけているということは運動への賛同表明であり、世界の貧困問題に関心を持っているというアピールになるそうなのですが、貧困問題に関心を持つってスタンスを腕輪をつけて「他人に誇示する」ってのが受けつけられないですね。関心を持つことをどんな形にするかは人それぞれの自由だと思うのですが、貧困を考えるという極めて高度にモラリスティックな問題への取り組み方を、統一された行動形態で一律に示すってのが、ひっかかります。なんだか倫理観の形の現れ方を「こういうふうにしろ」と強要されてるようで、ファッショ的な啓蒙ってカンジがするんですね。環境問題に取り組むために割り箸を使わないなんていうのがあったでしょ(実際は森林保護には何の効果もないのに)、ああいう押し付けがましさとよく似てる感じがします。 ホワイトバンドの収益金の使い道であるNGO活動ですが、U2のボノが参加してるだけあって、やっぱ、「ODAとそのロビー活動」「債務帳消し」の大体この二点に集約されるみたいですね。「貧困を考える」内容がいつもどおりにありきたりな感じが否めませんが。 途上国の貧困問題を考えるとき、どうしても考えなくちゃいけないのは南北問題であり、先進国との格差の問題であるわけでしょう。単純に貧困から救うっていうけれど、貧困から救うってことは先進国との格差を無くす、ってことなんでしょうか? 格差を無くすってことになると、途上国の人々の生活水準を先進国の人並みに引き上げることになるわけですが、単純に考えて、世界の全ての人々が日本やアメリカの人々と同じような生活レベルに達したならば、貧困問題は解決されるかもしれませんが、深刻な環境問題が変わりに発生しそうです。京都議定書の二酸化炭素の排出規制の話し合いの場でこのことがまず槍玉に挙げられましたよね。世界の二酸化炭素排出量の圧倒的大部分を占める先進国は途上国と統一された排出規制目標値を定めようとしましたが、そんなこともちろん途上国側は反発しました。自分達が主に環境を破壊してるくせに途上国の排出規制を自分達と同レベルにすれば途上国の発展を認めない姿勢と受け取られても仕方ありません。 そもそも先進国だって昔は貧しかったわけで、一つの国の中で金持ちのブルジョアと労働者のプロレタリアートが存在していたわけですが、先進国へと近代化する過程に福祉改良型資本主義を持ち込んで貧富の格差を解消し、国民が総中流となるような形で豊かさを形成してきたわけです。国内の貧富の格差は解消したけれど(アメリカは別かもしれませんが)、国際的には南北問題が横たわった。識者のなかには、先進国は豊かさの近代化を遂げる過程で国内の貧富の格差を海外に輸出して南北問題に置き換えることで自国の格差社会を解消したのだ、なんていう喩え方をする人もいます。途上国は相変わらず原料を輸出して、技術立国である先進国は加工された高価な製品を途上国に売りつける、多くの知的財産を独占所有する先進国側のルールのなかでそういった経済構造が維持されて、途上国もそのルールのなかで貧困が固定化される。南北問題をさくさくっと説明すればこんな感じでしょうか。 結局のところ、先進国が国内の貧富の格差を福祉による「富の再分配」という形で解消したように、南北問題においても先進国の富を途上国に再分配するという発想にでも行き着けば、途上国の貧困は解消されるかもしれませんけど、決してそうはならない。国家の境、民族の壁、イデオロギーの差異は富を再分配させない。格差を無くしながら環境問題を調整しようとなると、先進国は今の生活水準を下げると言う発想に辿り付かざるを得ないんだけど、「エコ」の思想は「エゴ」の贅沢をやめる、ってことにはならないんですよね、決して。 ・・・とまあ、ホワイトバンドから話題が大きくそれちゃったけど、「世界の貧困を考える」っていうことはホワイトバンドを買う、人にそれを薦める、ってことのモラルの押し付けの薄っぺらさとは対極に非常にディープな訳ですよ。ボノやブラビが指をクリックするぐらいに鮮やかで洗練されたイメージとは対極的に、そうとうに根深い背景が横たわってるわけです。 しょせん、ホワイトバンドは赤い羽根募金みたいに地味に定着するとも思われませんし、ビッグイシューみたいに一過性の流行で過ぎ去ってしまうというのがわたしの予想なんです。だって、あれって、一種のアクセサリーでしょ、アクセサリーの流行り廃りを考えたら、あの有名人が指をクリックするというCMのインパクトが大きければ大きいほど、飽きられるのも早い、って気がします。 そもそも「他者を貧困から救う」ことが直接的目的とならず、「他者を貧困から救う運動を支持する」ことが目的となるのは、運動に参加している自己満足が占める部分が大きい分だけ、貧困を考えること自体、ホワイトバンドを腕に巻いたその時点で貧困への想像力や問題解決への個別発想部分が思考停止しちゃう可能性が高いとは思いませんか。ホワイトバンドという行動自体の一律性が、一律に収束されることの自己満足が、モラルのファッショが、逆に他者の貧困や死に対して多くの想像をすることを妨げてしまうような気がします。 というわけで、ホワイトバンドってそのお手軽に腕に巻けば、市民運動の仲間入りできるキャッチーさ、親しみやすさが演出されればされるほど、わたしの頭の中にはそれが「富める者のお手軽な免罪符」というイメージがますます滲み出てしょうがないんです。 ![]() ↑賛同したわけではありません、あしからず。。。。 |
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こんにちは。
私としては、ホワイトバンドについてはどーでもいいというか、マイナスにはならんだろうからOKくらいに思ってます。もちろん、気に入らないところはいろいろありますが、おっしゃるように貧困問題・南北問題はもうデッド・ロック状態ですから、別に足引っ張ることにはなりようがないというか・・・。何もないよりマシかなと。黒柳さんみたいなもんかと。偽善だろうとなんだろうと、徹子が何もしないことよりずっとマシかなと。 というか、もうこの貧困・南北問題って、書くエネルギーも考える気力も沸いてこなくなるくらいどうにもなんない状況だと思うんですよ。はっきりいって、90年代後半あたりから、先進国の人びとはもうあきらめの境地に達しちゃったかなあと。どうにかなる、という発想はもう一般からは消えちゃったかなあと。頑張ってる人たちも、先進国は当てにならないから、全体的に南北問題をどうにかするって発想より、個別の問題をピンポイントで対処する方向にシフトしてきてるかなあと。 アメリカの南北問題(=貧困・黒人問題)もそんなところありますね。もう底上げは不可能、というか、アメリカ国民のマジョリティが一丸となってその問題に取り組むことはもうありえない。 自分のことを考えると、先進国の人びとを責める気にはなれないんですよね。私の知り合いにNGOとかで頑張ってる人たちがいますけど、私自身はそういう道に進む気がまったくなかったし。日本や先進国で、私個人にとって文化的で私自身の欲望を満たせる生活をしたいと思ってましたから。 ・「」
確かにデッドロック状態ですよね。。。
池澤夏樹さんの『楽しい終末』なんか読んでると、デッドロック状態が頭が痛くなるほど痛感させられます。 貧しい人間を豊かにするのは構造を変えれば簡単なんですよね。でも富める人間の生活を引き下げるのは恐慌的反動を呼ぶだけなんですよね。 ただ、ホワイトバンドやビッグイシューのやり方を見ていると、ユニセフや赤い羽根募金の方が随分マシだなとは思います。。。。 このブログで時事を扱うと体制内反体制のものすごく下手糞なやりかたになっちゃうんですよね(苦笑 ・「」
こんにちは。私としては、今回のホワイトバンドで数十人でも数百人でも本気でこういう問題に関心を持つ人がでればいいんじゃないかと思ってます。既存のやり方だとみんなもうスルーってかんじだと思うんで。みんなそういうのに慣れちゃって不感症状態だと思うんで。
で、とくらさんのところでも書きましたが、私としては、もめなくてもいいんじゃないのと思いつつも、あまり関心なかったりもしますし、他人のやることに口出すのもなんだかなあなんで、なかなかコメントしづらいんですよね(笑)。コメントする必要もないんでしょうけど(笑)。 で、私も部外者ですし、同盟員ブログすらほとんど読んでないんですが、可能なら、もっとおおらかな人が同盟ブログの管理をやって、TB引き受けて、「世に倦み日日」は重要な一同盟員みたいな位置付けになった方がいいかもしれませんね。 あれはもうあの方の芸風だと思うんで、部外者ですし、私自身はどうでもいいんですが、不快になる方もいるだろうとは思います。また、同盟員のまっとうな指摘のTBまで削除しちゃうそうですし、ちょっとやりすぎかなと。それに、私もあの文章はセクハラだと思いここに書こうかと思いましたら、あちらで指摘されてましたね。以前にも、ブログ主が美人かどうか想像とかわけわかんないこと書いてましたし。芸としても微妙かと。 しかしながら、ちょっとしか見てないですが、参加してる右翼の方々はすごいですね。国外の敵に対しては偏狭なことも書いてますが、国内の左翼に対しては懐広いですね。 ・「」
最近「やらないよりマシ」ということをわたしも実感しつつあるんですが、若気の至りかどうしても手続きに対してツッコミを入れてしまう自分もどうよ?って思っています。
とくらさんのところでのことはmudaidesuさんには恐れ入ります。mudaidesuさんの仰るとおりなんですが、僕はあなたに言われるとなんか冷静に内省に向かいますね。でもそんなんじゃいかんと反省してます(苦笑 ブロガー同盟に関してはわたしは誤解されてる部分が多いので言及しない方がいいと思うんですが、まあさくさくっと言えば、mudaidesuさんに同意なんですよ。どなたかが仰ってましたがTBセンターでも作っておいたら十分でないかと思ったりします。 あの方の芸風に関してはもう熟知しまくってる領域に達するほどなんですが、僕も含めて、みなさん、釣られまくりなんですよね(苦笑 まあ、党員の方のところによくコメントしに行く縁で今回のエントリーがあったわけですが、まあ、もうほとんどツッコミ入れない方が無難だと思ってます。あの方の路線も昔とは随分変わったと思いますし。 右翼の人っているんですか。 わたしはテサロニケさん自体が右に甘く左に厳しいなあとは思っていましたが。 しかし、mudaidesuさんにはとくらさんの件でお世話になりましたよ。ありがとうございました。。。w ・「」
こんにちは。「手続き」はたしかに大切ですね。より効果的なものにするためにも。スルーしちゃうのはよくないですよね。まあ、ぶっちゃけ(この表現はじめて使ってみます。しゃべりも含めて。私はバカっぽいしゃべりするんですが、この表現はなぜか避けてきました。笑)、ホワイトバンドには関心なかったんで、論争もよく知らないんですよね(笑)。CMスカしすぎ、こんなベタでいいのかよ、逆効果じゃねーの?と思っていたら、大人気らしく、よかったね、くらいにしか感想なかったです。重度の不感症です。
あと、あっちの二個目一応消しときました。あっちでもちょっと書きましたが、おっしゃるとおりですよ。自覚はありました。ま、あれが最後っていうことで。 あの方の芸風に釣られてのは私もです(笑)。ここんとこ、というか選挙後、雑念入っちゃってるようで、ちょっといや〜なかんじありますけど、単純に読み物としておもしろいかなと。「有名ブログ」ってありますが、なんとか隊長とかなんとか通信とかちょっと見てみましたが、どこがおもしろいんだかさっぱりでした。私が言うのもなんですけどね(笑)。まあ、ブログ自体たいして見てないんですけど。そんなかで、あの方のだけですよ。ほとんどの文章を読んでるのは。釣られてますね(笑)。 ・「」
す、すいません、こちらにもコメントくださってたんですね! 見落としてました。。。あぅ
あのCMはまだ見たことないんですが、このGifアニメですでに萎えてしまいました(笑 でもホワイトバンドのサイトでU2のボノが指をクリックしてる動画を見ましたが、これはかっこいいんですよね。。。。やっぱ輸入物の運動は合わないんでしょうかね(笑 mudaidesuさんはとても平衡感覚があるけど、わたしはやっぱ熱すぎるんですね。。。 ちょっと感情的ですみませんでした。。。 あの方のブログは司馬遼太郎好きだけあって馴染みやすいんですよ。まあ作家にでもなってフィクション確報が向いてるんじゃないかと思うんですが。ですが、なんか、最近ほんと変わっちゃいましたよね。読書とか映画の感想、またやって欲しいとか思うんですけどねえ。。。 |
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